ディスカッションペーパー

テレワークが育児時間に及ぼす影響について:コロナ禍における持家の役割

DP番号 DP2021-004
言語 英語のみ
発行年月 September, 2021
著者 石野卓也、水村陽一、隅田和人、吉田拓矢、行武憲史
JELコード J13; C23; R20
キーワード テレワーク; 育児; 新型コロナウイルス; 住宅環境
ダウンロード PDF
要旨

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、さらなる感染を防ぐために、いくつかの国では外出を控えるような外出禁止令が出された。このことは、多くの労働者や企業がテレワークを導入することを外生的に促すこととなった。本研究では、住宅環境を考慮した上で、テレワークと育児参加の関係を論じる。2020年に実施された「日本家計パネル調査(JHPS)」と「新型コロナウイルスが社会に与えた影響に関するJHPS特別調査」のデータを利用て分析を行った。個人や世帯の属性、地域、住宅の属性をコントロールした結果、規模の大きな持ち家住宅でテレワークをする男性労働者は、育児時間が有意に増加する結果が得られた。持ち家の戸建て住宅に住む男性テレワーカーの場合、1日のテレワーク時間が1時間増加すると、1日の育児時間は0.16時間増加する傾向が見られた。これは、男性のサブサンプル平均と比較して、1日あたりの育児時間が約17%増加していることに該当する。このことから、十分な広さと住宅の質が、男性の育児時間に大きな影響を与えていると考えられる。