日本子どもパネル調査(JCPS)

「日本子どもパネル調査」の概要と利用方法について

調査の目的

「日本子どもパネル調査」では、家庭での子育ての状況や子ども自身の学びの様子についての詳細な調査を行い、社会の動きと子育ての関連性を総合的に解明することを目的としています。昨今、子育てと教育をめぐる社会状況は大きく変化しています。それを踏まえて、国の全国学力・学習状況調査をはじめとし、さまざまな形で学力と子どもの生活状況の関係についての調査が行われてきました。しかしながら、子どもは大人以上に、変化し、そして成長します。子どもの成長を長期にわたり追跡し、厳密な調査を繰り返さなければ、何が子どもの学びやこころに影響を与えているのか、解明することは困難です。
「日本子どもパネル調査」は、同一世帯の同一の子どもを対象にし、定期的に調査を行うことで、子どもの成長過程を追跡していきます。そしてその情報を、「日本家計パネル調査」「慶應義塾家計パネル調査」で得られる情報と共に分析することにより、家庭や周囲の状況と子どもの成長との因果関係を明らかにすることを目指しています。調査結果は世界各国との比較分析にも活用されています。「日本子どもパネル調査」は、日本社会の変化と子育ての関連性を明らかできる数少ない資料として、大きな期待が寄せられています。

調査対象と方法

調査は、2010年より、「調査年の3月末時点で小中学生のお子さまとその保護者の方」調査年の3月末時点で小中学生のお子さまとその保護者の方、そして、2016年より、「調査年の3月末時点で、小学校入学までの期間が4年以下である就学前のお子さまをもつ、保護者の方」を対象に行っております。調査の同意はその都度いただいています。
調査方法としては、2018年調査までは、協力の同意をいただいた対象者の世帯に、保護者向け・小中学生のお子さま向けの2つの調査票を送付し、ご自宅で回答していただいた後、郵送返送をお願いしていました。2020年調査から、保護者の方には、調査票ではなくウェブ上での回答を予定しております(お子さまの調査方法に変更はありません)。

調査項目

小中学生のお子さまを対象とした「子ども票」は、子どもが回答する、算数(数学)・国語・推論の基礎学力テストと、学校と学びや生活に関するアンケートです。数学・国語の学力テスト問題は、学年ごとに異なります。
「親票」(2020年よりウェブ調査の予定)は、子どもの保護者が回答する、教育環境や子育て・子どもの行動に関するアンケートです。親は子どもひとりずつについて回答していただいています。

調査の経緯

日本子どもパネル調査は、日本家計パネル調査(JHPS)と慶應義塾パネル調査(KHPS)と並行して、2010年より毎年実施しています。
2014年からは、すべてのパネル調査の対象者の中で、該当する年齢の子どものいる世帯に対し、2年に1回、調査への協力を依頼しています。

これまでは、以下の対象者の中で、それぞれ該当する年齢の子どものいる世帯に対し、調査への協力を依頼しました。

  • 2010年調査:「日本家計パネル調査第2回目調査 (JHPS2010)」の対象者
  • 2011年調査:「慶應義塾家計パネル調査第8回目調査 (KHPS2011)」の対象者
  • 2012年調査:「日本家計パネル調査第4回目調査 (JHPS2012)」の対象者
  • 2013年調査:「慶應義塾家計パネル調査第10回目調査 (KHPS2013)」の対象者
  • 2014年調査:「日本家計パネル調査(JHPS/KHPS2014)」(JHPS第6回調査、KHPS第11回調査)の対象者
  • 2016年調査:「日本家計パネル調査(JHPS/KHPS2016)」(JHPS第8回調査、KHPS第13回調査)の対象者

調査実施体制

日本子どもパネル調査は、2010年より、慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターが中心となり、調査設計と分析を行ってきました。さらに2017年より、同年に設立された「こどもの機会均等研究センター(CREOC)」が、調査設計とデータ整備に参加しています。

こどもの機会均等研究センター(CREOC)

調査票の閲覧

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