ディスカッションペーパー

学歴再生産論検討ー親子・配偶者の類似性からー

DP番号 DP-2009-011
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2010
著者 敷島 千鶴
JELコード
キーワード 学歴再生産、学歴格差、世代間継承、同類婚、階層固定化
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要旨

慶應義塾家計パネル調査 (KHPS) において2004、2005、2007年、ならびに日本家計パ
ネル調査 (JHPS) において2009年に収集された個票に基づき、8,893家系に属する配偶
者対、親子、総計30,302成人の学歴家族データを分析した。子どもの生年を1920年代か
ら1980年代の7コーホートに範疇化した学歴の平均値の推移は、親子共に、顕著な高学
歴化の様相を呈したが、近年、親の学歴が子の学歴に追いつく家族学歴の収斂傾向が明
らかにされた。続くポリコリック相関分析は、実親子、姻戚関係親子、配偶者対の学歴
の相関が、減少傾向にあることを示した。学歴の家族内連関性の程度が減じ、学歴の世
代間継承の程度が縮小されてきているという本分析結果は、近年の階層固定化論、そし
て階層拡大化論を、学歴再生産の視点から支持するエビデンスはないことを示すもので
ある。