ディスカッションペーパー

「JHPS お子様に関する特別調査2010」―学力テストの信頼性と妥当性の検討―

DP番号 DP-2010-004
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2011
著者 敷島 千鶴・直井 道生・山下 絢・赤林 英夫
JELコード
キーワード
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要旨

「JHPS お子様に関する特別調査 (子ども特別調査)」は、日本家計パネル調査 (JHPS) 対象
者の中から小中学生の子どもをもつ親を抽出し、その親子を JHPS に付随して追跡すること
により、子どもの学力と家庭背景との関連を解明することを目的とした調査である。本稿
では、2010 年に実施された第 1 回目の調査において収集された、312 世帯の子ども 461 名
分のデータを分析することにより、子ども特別調査学力テストの信頼性と妥当性について
検討を行った。算数/数学、国語、推論の 3 因子に従属する項目群の内的一貫性の高さは、
子ども特別調査学力テストが優れた信頼性を伴うことを示した。都道府県別学力テストデ
ータとの比較は、子ども特別調査の学力テスト各項目が構成概念妥当性を伴うことを示し
た。算数/数学、国語のテスト得点と親が報告した子どもの学校の両教科の成績との相関関
係は、子ども特別調査学力テストで測定される構成概念が併存的妥当性を伴うことを示し
た。子ども特別調査学力テスト得点が、有効な学力指標であることが確認された。