ディスカッションペーパー

給与所得およびその変化が雇用者の仕事満足度に与える影響

DP番号 DP-2010-006
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2011
著者 馬 欣欣
JELコード
キーワード 仕事の満足度 絶対所得 相対所得 所得の変化率
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要旨

本稿では JHPS2009~2010 の個票データを活用し、給与所得(以下では、「所得」と略称
する)およびその変化が日本の雇用者の仕事満足度に与える影響に関する実証分析を行い、
相対所得仮説および順応仮説を検証した。まず、相対所得仮説については、(1)雇用者全
体のサンプル、男女別・就業形態別のサブサンプルを用いて分析したが、いずれも仕事満
足度は絶対所得および相対所得の両方に依存していることが検証された、(2)絶対所得お
よび相対所得が仕事満足度に与える影響については就業形態間の差異以上に、男女間の差
異が大きい。(3)企業規模、企業制度、仕事の権限、職場の対人関係などの企業内部の仕
事・職場要因は、雇用者の仕事満足度に大きな影響を与えていることがわかった。次に、
順応仮説については、(1)雇用者全体のサンプル、男女別・就業形態別のサブサンプルを
用いた分析により、仕事満足度は、所得の変化率から影響を受けることが確認され、順応
仮説が検証された、(2)所得の変化率が仕事満足度に与える影響は、女性のグループ、非
正規のグループにおいてより強く現れていることが示された。