「JHPSお子様に関する特別調査」における家計の属性
DP番号
DP-2010-010
言語
日本語のみ
発行年月
March, 2011
著者
山下 絢・中村 亮介・赤林 英夫・直井 道生・敷島 千鶴
JELコード
キーワード
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要旨
本稿は,2010 年 1 月に実施された「日本家計パネル調査(JHPS)」の第 2 回調査と連動し
て行われた,「JHPS お子様に関する特別調査」(子ども特別調査)に対する回答の有無が家
計の属性の影響を受けているか否かを検討するものである。子ども特別調査とは子どもの
学力と家計の属性における関係を明らかにすることを主な目的として行われた調査である。
この子ども特別調査は JHPS 対象者のうち,協力を表明した対象者(保護者)とその子ども
に対して行われたため,調査協力者の家計属性が偏ってしまう可能性がある。この検討の
ために,本稿は家計の属性の分布を特別調査回答者と無回答者との間で比較し,さらに回
答の有無に関する probit 分析を行った。分析の結果,明らかになったことは以下の 3 点で
ある。第 1 は,子どもの学年,家計収入,保護者の学歴,保護者の就業の状況において,
子ども特別調査回答者と無回答者の協力率に関して,統計的な有意差が確認されたことで
ある。第 2 は調査への協力率が子どもの学年が上がるにつれて減少し,学校段階が変わる
時期で特に減少することである。第 3 は協力の有無を規定する様々な家計属性を統制した
probit 分析において,母親が正規職である場合に協力率が下がる傾向にあることである。