ディスカッションペーパー

勤勉さの文化伝達-親のしつけと世界観-

DP番号 DP-2012-004
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2013
著者 窪田 康平・大垣 昌夫
JELコード D10; J13; Z10
キーワード 文化、世代間関係、勤勉さ、しつけ、世界観
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要旨

本稿は、勤勉さの文化伝達のメカニズムを解明するために、親のしつけが子どもの勤勉さ
に影響しているかを実証分析する。勤勉さの代理指標として学習時間を用いる。子どもの
性格や行動を見て、親はしつけを変える可能性があるため、親のしつけに関する内生性の
問題に対処する必要がある。経済行動を規定すると考えられる世界観を操作変数として用
いて、この内生性の問題に対処する。分析の結果、第一に、親が厳しくしつけると子ども
の 1 日の学習時間は約 1 時間増加すること、第二に、親の苦しみに関する世界観が親のし
つけという経済行動を通じて、子どもの学習時間に影響していることが明らかとなる。こ
れらの結果は、苦しみには人格形成などの意味があるという世界観を持つ親が子どもにあ
えて厳しいしつけを行うことで、より勤勉な子どもに育つことを示唆している。