ディスカッションペーパー

子どもの“学力”に潜む家庭背景と親子の意識

DP番号 DP-2013-002
言語 日本語のみ
発行年月 August, 2013
著者 高田 みほ
JELコード
キーワード
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要旨

2010 年「日本家計パネル調査」の対象世帯で、協力した親子データ中、小学生と中学生の
子どもの在籍学年と学力テストの対象学年が一致している 461 ケースについて、学力テス
トの得点を子どもの学力そのものと捉えず、そこに顕在化する子どもと親の意識や態度、
家計からの影響について検討した。“低学力児”とされる群に強く影響していたのが、無回
答率の高さと親による成績評価であり、それらの背景に家計や親の学歴との関連がみられ
た。テスト結果として顕在化する子どもの学力には、父親の高学歴や家計といった子ども
自身にはコントロールしにくい状況が関連しているが、その影響力は高学年になるにつれ
て強く、また学年に関わらず無回答の多さがテスト得点に有意に影響していた。テストに
は本人の知的学力のみならず、問題に取り組む態度も大きく影響する。狭義の“学力”指
標としてはテスト得点が適用されるが、その背景にあるのは子ども自身の知的能力だけで
なく、親の意識や親からの投資、子どもの意識等であり、それらとの関連から調査におい
て何が測定されているのか熟考する必要があるだろう。