ディスカッションペーパー

世帯所得と居宅介護サービス利用率との関連

DP番号 DP-2014-004
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2015
著者 相原 洋子・川副 延生
JELコード
キーワード 介護保険 , 介護サービス利用率 , 居宅介護サービス
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要旨

わが国の介護保険制度では,サービス受給には原則支給限度額内では一律1割の自己負担
が生じる。世帯所得に拠っては経済負担を考慮し,サービスの過少利用が考えられる。そ
こで世帯所得と居宅介護サービス利用率との関連について検証した。分析対象者は,介護
認定を受けている 65 歳以上高齢者のいる世帯で,介護サービス利用と世帯所得に欠損のな
い 149 世帯とした。2009 年 1 月に介護サービスを利用した人が,事業者に支払った自己負
担額を分子,介護区分支給限度額 1 割を分母とした利用率を,サービス利用率と定義し,
アウトカムとした。可処分等価所得,要介護者と介護者の特性,預貯金額,持家の有無を
説明変数とし単回帰分析を行った。またジニ係数,集中度係数,カクワニ係数を算出した。
世帯所得と介護サービス率との間に,有意な関連はみられなかった。現行の介護保険制度
では,世帯所得に拠らずに,介護サービス利用率はほぼ均等である可能性が示唆された。