ディスカッションペーパー

【第1回学生論文コンテストJHPS AWARD受賞論文:最優秀賞】
学び直しへの参加・継続とその効果に関する実証分析

DP番号 DP2019-008
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2020
著者 大庭滉平
JELコード J24
キーワード 学び直し、自己啓発、参加と継続、賃金
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要旨

本稿の目的は、近年注目を集める学び直しをテーマに、参加と継続を区別したうえでその要因と賃金に与える効果を検証することである。特に、参加要因の分析においては個人の心理的要因が参加有無に与える影響に着目し、継続要因の分析では新規結婚や子供の誕生といった家庭環境の変動が学び直しの継続に与える影響に着目した。分析の結果、以下のことが示された。1 つ目に心理的要因が学び直しの参加に影響を与えることが示された。具体的には、人生の希望度合いが高ければいずれの学び直しにも参加しやすくなり、仕事への不満度が高いと通学と通信による学び直しに参加しやすくなる。2 つ目は新規結婚・新規離婚といった家庭環境の変動が学び直しの継続を妨げていることが確認できた。3 つ目は、学び直しの参加を促進させる要因と継続を促進させる要因に違いがあることが明らかになった。具体的には、既婚者は未婚者と比べて学び直しに参加しにくいものの、一度参加した場合には未婚者よりも長く継続することが示された。4 つ目は、通学とカルチャーによる学び直しは、継続的に実施するほど賃金を高めることが明らかになった。しかしその一方で、通信による学び直しは参加自体には効果があるものの継続的な実施には効果がないことが示された。以上のことから、学び直しの参加促進と継続の促進を区別したうえで施策を提供していくことがより効率的な学び直しの環境づくりにつながるのではないだろうか。