ディスカッションペーパー

日本における高齢者の貧困 ―就業経験と婚姻状況が収入・所得・資産に与える影響の実証分析―

DP番号 DP2019-011
言語 日本語のみ
発行年月 March, 2020
著者 萩原里紗
JELコード D31; I32; J14
キーワード 高齢者;貧困;収入・所得・資産;就業経験;婚姻状況
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要旨

日本では、長寿化が進む中、老後の生活への懸念が強まっている。老後の生活は、これまでの就業経験や婚姻状況によって影響を受けることが、先行研究で指摘されている。例えば、老後の収入の大部分を支える年金は、これまでの就業経験(納付状況)に依存している。また、特に女性は、婚姻状況によっても大きな影響を受けやすい。  本研究では、これまでの就業経験や婚姻状況が高齢者の収入・所得・資産に与える影響を明らかにする。「日本家計パネル調査(Japan/Keio Household Panel Survey: JHPS/KHPS)」を使用して分析を行った結果、正規雇用者よりも非正規雇用者や自営業者であった期間が長いケースや無配偶で特に未婚のケースで貧困リスクは高いことが明らかとなった。海外の先行研究で指摘されているように、特定層のみに手厚い保障が行われる制度の問題点が本研究でも浮き彫りになった。特に、日本では、非正規雇用者や未婚者が増加傾向にあることから、この層の老後の生活保障を行うことが日本の高齢者の貧困問題を解決する上で重要である。