ディスカッションペーパー

新型コロナウイルスが社会に与えた影響に関する第1回・第2回JHPS特別調査の記述統計的分析

DP番号 DP2021-003
言語 日本語のみ
発行年月 May, 2021
著者 隅田和人
JELコード C80; I18
キーワード 新型コロナウイルス感染症; 緊急事態宣言; 世帯所得; 健康
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要旨

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受けて、日本でも2020年3月からは、小中学校・高等学校への休校要請がなされ、4月には緊急事態宣言が発出され、飲食業への休業要請などにより、経済活動も負の影響を受けている。このような背景の下で、日本家計パネル調査の対象者に、2020年1月末に定例調査(JHPS2020)が、5月下旬に第1回特別調査、10月中旬に第2回特別調査が実施されている。本稿では、特別調査への回答者の特徴を調べ、これらの3調査の結果を比較し、この間の調査対象者・世帯の経済・社会的な状況の推移を概観した。特別調査には、2020年1月末の定例調査と比較して、60歳以上、2人世帯、有配偶、女性、家事/求職中、持ち家世帯、大都市居住者が、多く回答する傾向にあった。これら3調査の結果を比較すると、世帯収入については、2月・4月に比べて、9月では約3万円低下し、仕事による収入については、女性の場合、9月に約1万円の低下がみられた。他に、緊急事態宣言中の通勤時間の減少、在宅勤務の増加、休校による子どもへの影響、精神的なストレス上昇も確認された。