2000年代前半から2010年代後半にかけて女性の幸福度はどのように推移したのか
DP番号
DP2022-001
言語
日本語のみ
発行年月
April, 2022
著者
佐藤一磨
JELコード
I31
キーワード
幸福度; タイムトレンド; パネルデータ
ダウンロード
PDF
要旨
さまざまな研究が男女の幸福度の変化を検証してきたが、それらの研究では2010年以降の直近のデータを使用した分析やアジア地域のデータを用いた分析が少ないという課題があった。そこで、本研究は2003-2013年と2016-2018年に大阪大学が実施した『くらしの好みと満足度についてアンケート(JHPS-CPS)』を用い、日本の男女の幸福度の推移を分析した。分析の結果、次の3点が明らかになった。1点目は、女性の幸福度は男性の幸福度よりも高く、分析期間中で大きな変化を経験していなかった。これに対して男性の幸福度は低下傾向にあったため、幸福度の男女差は拡大した。2点目は、年齢、学歴、結婚、子どもの有無といった個人属性別に分析した結果、35-49歳、大卒、無配偶、子どもありの場合で幸福度の男女差が拡大していた。3点目は、無配偶、子どもありの男女を年齢別に分けて分析した結果、50歳以上の無配偶と49歳以下の子どもありの場合で、男性の幸福度の低下が顕著であり、その結果として幸福度の男女差が拡大した。