社会人の学びとその後の状況-業務の高度化、賃金上昇、失職回避について
DP番号
DP2024-001
言語
日本語のみ
発行年月
May, 2024
著者
小林徹
JELコード
I2; J30
キーワード
社会人の学び直し; タスク; 固定効果
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要旨
技術進歩に伴う環境変化に対応するため、また賃金増加にむけてリスキリングなど社会人の学び直し支援政策が注目されているが、本政策にたいしては従来から積極的労働市場政策として実施されていたように失業会費などセーフティーネットの役割も期待される。そこで本稿では、就業しながら学習活動を行ったものほど技術補完的なタスクが増加するか、賃金が増えるか、新型コロナ流行期でも失業リスクが軽減されていたかについて固定効果を考慮した分析を行った。分析の結果、学習活動の中でも特に「各種講演会やセミナー」や「社内の自主的な勉強会」といった内容を含む活動に参加した就業者ほど「抽象タスク」や「賃金」が増加し、失業リスクも軽減されていた。なお、失業リスクの軽減については、通学を実施していた者についても確認された。経済に負のショックが生じた場合であっても、学習活動を継続することにより解雇の対象になりにくくなることや、他企業への移動がしやすくなることで失業リスクが減少することが考えられる。