【日英共同研究による実証研究シリーズ】
コロナ禍における雇用調整助成金から生じたゾンビ企業の事前・事後評価
DP番号
DP2024-004
言語
英語のみ
発行年月
December, 2024
著者
福田皓、山本勲
JELコード
G33; J08; M51
キーワード
雇用維持政策; 新型コロナウイルス感染症; ゾンビ企業
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要旨
本稿は、新型コロナウイルス感染症蔓延時に日本政府が前例のない水準まで拡大した雇用調整助成金の事前・事後的な政策評価を行う。具体的には、労働政策研究・研修機構と帝国データバンクが実施した企業パネル調査を用いて、どのような企業が雇用調整助成金を申請し、その後の業績がどのように推移したかを分析した。分析の結果、雇用調整助成金を申請した企業のほとんどが、コロナ前にはゾンビ企業ではなかったことが確認された。しかし、申請企業のその後の売上高は、最初の申請から1年以上経過した時点でも、非申請企業よりも低いことが明らかになった。この結果は、コロナの影響を特に受けた産業や小規模企業、継続的な支援を受けなかった企業において顕著に見られた。以上の結果は、コロナ初期の大規模な雇用調整助成金が、コロナの影響を受けた企業のゾンビ化につながっていた可能性を示唆している。