初等教育段階における学校外教育の媒介効果についての実証分析
DP番号
DP2022-007
言語
日本語のみ
発行年月
March, 2023
著者
中村亮介、田中宏樹、金田陸幸
JELコード
I21
キーワード
媒介分析; 学校外教育; 親の社会経済的背景の間接効果
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要旨
本研究では小中学校段階の子どもの学力形成に等価世帯収入や父母の学歴が与える直接的な影響と間接的な影響を推定した。子ども一人一人に対して行われた学校外教育投資の大きさとその子どもの学力を同時に把握することが出来る「日本子どもパネル調査」を利用し、媒介分析の手法を用いて、等価世帯収入、父母の学歴が子どもの学力に与える影響を、直接的影響と、学校外教育費を通じた間接的影響とに分けてその効果の大きさを比較した。本稿の主要な分析の結果からは、等価世帯収入が学力に与える影響のうち数学については約6.8%が学校外教育費を通じた間接的影響であった。また、国語については約9.4%が学校外教育費を通じた間接的影響であった。さらに、父親が大卒であることが学力に与える影響のうち学校外教育費を通じた間接的影響が占める割合は、数学は約2.3%、国語は約2.9%であり、母親が大卒であることの間接的影響は観察されなかった。