ディスカッションペーパー

【日英共同研究による実証研究シリーズ】
COVID-19ショックと所得格差:日本と英国における恒久的および一時的な影響に関するパネルデータ分析

DP番号 DP2024-005
言語 英語のみ
発行年月 December, 2024
著者 白石憲一
JELコード C23; D31
キーワード 恒常的な不平等; 一時的な不平等; ランダム成長モデル
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要旨

本研究では、パネルデータを用いて、日本と英国における労働市場リスクに対するCOVID-19ショックの影響を検証し、所得格差の変化が恒久的か一時的かを重点的に調査した。この分析により、3つの重要な結果が得られた。第1に、ランダム効果とランダム成長パラメータ間の負で有意な共分散は、初期収入の低下がより高い収入成長率と関連していることを示している。第2に、不平等の一時的な要素は、2021年に増加するケースもあり、影響を受けた世帯に対する所得維持政策の妥当性を裏付けている。第3に、コホートが年齢を重ねるにつれ、不平等の一時的な要素は拡大し、一時的な所得ショックによって生じた高齢者の所得制度における格差に対処するための一時的な公的支援政策が必要となる。